朝晩の気温が下がって来て、ちょっと楽になりました。
湿度も少なくなってきたみたい。
うれしいな。
このところ、時間的に余裕があるので、
引っ越して以来手を付けていなかったいろいろの、
整理という名の掃除をしています。
まだ引っ越してから1年半くらいなのに、
奥の方からいろいろ出てきます。
「ここにあったのか!」とか
「こんなとこに隠れてたのか!」とか
「こんなにたくさんあったんじゃん!」とか、
大きな声で独り言を発しながら、
埃や土にまみれております。
でも、だんだんバックヤードが自分流になってきて、
とても仕事がやりやすく、心まで軽くなる感じです。
小澤典代さんの新刊「雑木のある庭に暮らす」(誠文堂新光社)。
巻末に、ジェンテをご紹介いただきました。
小澤さんとは10年前に出版社のパーティーでお会いして以来です。
お会いしたと言っても、ご挨拶させていただいただけで、
当時から有名人の小澤さんの周りには、
いわゆる業界人っぽい方々がいっぱいで、
たぶん名刺は交換したけど、記憶は曖昧でした。
そして、もちろん、小澤さんはこの日のことは覚えていらっしゃらず。
当然です。
人ごみ苦手な、実はとっても人見知りで小心者の私には、
たいへん衝撃的なパーティーだったんですよね〜
小澤さんは「あ、たぶん私ちゃんと挨拶してなかったでしょう?」って。
そして、「ごめん、ごめん」とおっしゃって下さいましたが、
なんだかこちらこそ「ごめんなさい」でした。
そんなこともすでに一昔前のこと。
今、こうして、お声をかけていただく機会に恵まれ、
今となっては、笑い話としてそのときのことをお話できるのって、
なんかいいなぁって思いました。
お互いに頑張って仕事をし続けて来たって証拠ですものね。
小澤さんは精力的にたくさんご本を出版されているので、
すばらしいなぁと思いましたし、
取材の間もとても聞き上手お話上手で、
とてもたのしい時間を過ごさせていただきました。
ジェンテのお客様のお庭でもよく見かけるたくさんの雑木。
小澤さんは植物の専門家ではないので、
だからこその視点でセレクトされたお庭たちがいっぱいです。
とっても親しみやすくて、身近な感じがします。
庭には大きな木々があってこそと、改めて感じさせてくれる、
本当に素敵な一冊です。
「雑木のある庭にくらす」
天然生活10月号
天然生活10月号(8月20日発売)にて、
朝霞市の生産者さん 飯倉さんを訪ねました。
今まで個人的に何件もの生産者さんをお訪ねして、
たくさんの花を見て、
たくさんの方とふれあい、
たくさんのことを教えていただきました。
そのたびに感動や衝撃があって、
それが私の仕事の原動力になっているといっても
過言ではありません。
そして、今までも何度もお訪ねしていた
埼玉県朝霞市の生産者さん 飯倉さん。
トルコキキョウの代表的な生産者です。
トルコキキョウの生産者と問われたら、
一番に名前があがるような、いわゆる「名人」です。
上質で上等のトルコキキョウを作ります。
出荷期間は5月末から7月上旬の約2ヶ月ですが、
(もちろん、他の花もたくさんお作りです)
いつでも安定した花を供給してくださり、
その時期、いざという時は、
どうしても飯倉さんのトルコキキョウに頼ってしまいます。
今回、「天然生活」さんの取材で飯倉さんををお訪ねして、
今まで何度も訪ねたはずの飯倉さんにも、
実はもっともっとたくさんの顔をお持ちで、
そして、そうしたあらゆる生活、または生き方の中からこそ、
今の飯倉さんの花が出来上がっているのだと、
はじめて知ったような気がしました。
今までお訪ねしていた時は、
その時の花の現状しか見て来ていませんでした。
今年はどんな花を作られているかな?
今年の出来はどうかな?
この花はいつぐらいから出荷が始まるかな?
そうした、自分本位の見方が中心で、
それでも意識して、
潅水状況はどんなかな?
農薬はどの程度使っているかな?
土はどうやって作っているかな?
どんな風に植え替えしているかな?
芽かきはどんなポリシーで行っているかな?
温度や湿度の管理は?
なども拝見させていただいておりました。
ただ、私はこれが正解というのはわからないし、
良い悪いを判断するために伺っていたのではなく、
その生産者さんが今作ってる花の現状を知って、
ならば、この花はこんな風に使おう!など、
その花を使うためのヒントを得るために伺っていたのだと思います。
でも、今回、こうやって取材という形で伺って、
この誌面ではご紹介しきれないほどの、
飯倉さんの人生のポリシーとも言うべき、
暮らしぶり、考え方、そして、生き方を、
教えていただいたような気がします。
それは、おそらく、
カメラマンさんやライターさん、編集者さんからの、
素朴な疑問や好奇心からでしか知り得ないような、
私にとっては、当たり前だと思っていたことにも、
暮らしの小さな工夫や知恵がたくさん詰まっていることがわかり、
そして、
そうした方だからこそ、こういう花を作るんだ!
という深い意味での理解をさせていただきました。
もちろん、私の個人的な勝手な理解ですけれど。
飯倉さんご夫婦の花作りへの真摯な姿勢や
そのための様々な取り組み。
小さな努力の積み重ね。
そして、暮らしを楽しむ姿勢が、
美しい花を作り出しているのだと、
改めて思い直しました。
とても素敵なページになりました。
ぜひ、ご覧いただければと思います。